[MaxTips_17] はじめてのJitter

はじめまして、伏見(モー研)です。今回は、Jitterに関してのいくつかのTipsを書かせていただけることになりました。
Jitterは、音楽プログラミングに特化したMax/MSPに加えて、映像をも自在に扱えるように追加された機能です。
似たような映像プログラミング環境としてはQuartzComposer, processing, vvvv, openframeworks等がありますが、Jitterは、Max/MSPの追加ライブラリとして生まれただけに、音楽情報やMIDI信号、OSCなどとの自分なりの連携システムが組みやすいことが利点であると思います。しかし全くの初心者にとっては、「何から始めてよいのかよくわからない」「どうやって学習を進めてよいかわからない」ということもあるかもしれません。
今回はそういう方々向けに、僕なりのJitterの学習法などを共有できれば、と考えています。ここでは特にVJなどの映像パフォーマンス向けに、ムービー再生系とジェネレート系の表現、大きく分けて二つのアプローチに関して書かせていただきます。

 

1.ムービー再生系パッチ
○VJミキサー
「はじめてJItterに触る」という方は、まずはいわゆる市販のVJソフトのような、ムービー再生型のパッチを作ってみるといいかと思います。
jit.qt.movieにムービーを読み込み、映像効果系のオブジェクトの基本的な機能のみを使ってエフェクトをかけてみましょう。gateオブジェクトなどでエフェクトのON/OFFを切り替えられるようにし、最終的にjit.windowに出力をつなげば、エフェクトののかかった映像の結果が確認できます。
また、二つのjit.qt.movieを使用し、jit.xfadeなどで映像の切り替えを行えば、映像のスムーズな変化も可能になります。基本的にはこれだけの手順で、簡単なVJソフトが完成します。

 デフォルトで入っている映像エフェクト系のオブジェクトの機能は、IAMASの赤松正行さんの2061:Maxオデッセイ巻末の索引、もしくは公開されているobject browserパッチで確認することができます。
まずはこれらの基本的なオブジェクトでビデオエフェクトをかけて遊んでみると良いでしょう。

 

○ビデオエフェクトについて学ぶには
Maxフォルダの中のexampleフォルダの”video”の項目には、ムービーの出力に通すエフェクトのアイディアがいっぱいなので、画像に対してのエフェクトを学ぶには最適です。
また、Max5からは、vizzieモジュールというムービー再生型のVJプレイに有用なパッチ集が同梱していますので、中を開いて構造を勉強してみるのもよいかと思います。
さらにある程度操作に慣れれば、jit.gl.render、jit.gl.slab、jit.gl.videoplaneなどによるGPUでの画像処理を覚えていくと動作の高速化が図れます。
ここから、オーディオやBPMカウンターに対応した動作などを加えていけば、Max/MSP Jitterならではのおもしろいオリジナルのパッチが組んでいけるでしょう。

 

2.OpenGLによる生成系パッチ
Jitterでは、OpenGLによる3D物体の描画も可能です。
特に音量や帯域、同期信号によるタイミング合わせなどに対応したリアルタイム映像表現は、音楽プログラミング環境Max/MSPの追加機能として生まれたJitterだからこその得意分野であるといえるかと思います。その世界は非常に広大で、僕もまだまだ勉強中ですが、ここでは初学者がJitterによるOpenGLを学ぶ上で参考になりそうなサイトやパッチのご紹介をさせていただこうと思います。

 

○yoppa.org
芸大や多摩美などでメディアアートの講義をされている田所淳さんの講義資料では、Jitterによる映像表現も取り扱っています。サンプルパッチもダウンロードできるようなので、これらのスライドは非常に参考になることと思います。
○_adsr221
日本トップクラスのオーディオビジュアルアーティストである筒井真佐人さんは、ご自身の非常にハイレベルなJitterパッチを自サイトにて一般公開されています。http://adsr.jp/
特に初学者の方にとっては、mai_planets_bというパッチがお奨めです。
このパッチでは「jit.gl.gridshapeからのマトリクス情報の出力→jit.catch~によってマトリクス化されたオーディオ情報をjit.opでミックス→jit.gl.meshによる結果の描画」というオーディオリアクティブのパッチの流れが体系的に学べるとともに、シンプルな構造からは想像もつかない美しい描画結果を確認できるので、JitterによるOpenGLを学んでいく上で、次のステップに進むための良いモチベーションになると思います。
○Karappo Interaction Lab
Max/MSPに関しての更新は現在止まっているようですが、KarappoさんのブログにもJitterのOpenGLに関しての記事が掲載されています。特に、はじめてJitterを触るときにつまずきやすかった部分についての情報もあるので、参考になるかもしれません。


3.さらにJitterについて学ぶには
最後に、アプローチを問わずJitterを学ぶ上で有用なサイトのご紹介をさせていただきます。
○saito music labo
Jitterチュートリアルの日本語版が公開されています。基本的なマトリクス(行列)などについてのイメージは、ここでおさえておくといいかと思います。
○JItter Recipes
JitterについてのTipsがJitter Recipes:Book1~3という形で公開されています。サンプルパッチのダウンロードができ、どれもおもしろいアイディアの宝庫ですので非常に参考になります。
○フォーラム
Cycling’74本サイトにおけるフォーラムは、重要なリソースになります。Jitter関連のトピックを手当たり次第に漁るのも良いですが、具体的な疑問があればその解決方法も検索しやすいです。特にコンピュータグラフィックスについての基本的な知識を一般的な参考書などでおさえておけば、フォーラムでのトピックの検索も捗るでしょう。例えば、「被写界深度(Depth of Field)やビルボード(billboard)などの技術をJitterで再現するには?」という具体的な技術の再現への疑問があれば、その用語で検索することによって世界のMaxユーザーたちのおもしろいアイディアに触れられることと思います。

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